人類と炭の関係は古く、人が火を使うようになった頃からと考えられてます。
時代にすると石器時代初期の頃で、各地の遺跡から発掘されてます。古墳時代には、農具や武器を作るのに炭が使われていて、その技術はかなりのレベルだったようです。
奈良時代には、東大寺の大仏建立などで、鋳造用の燃料として使われたそうです。また、暖房などにも使われるようになり、より良質の炭が求められるようになりました。
このあたりから窯で焼いた白炭が出始め、室町時代には「茶の湯」の隆盛にともなって、炭焼き技術も上がり、今の技術と変わらないものとなりました。
そして江戸時代には、紀州の白炭が「備長炭」として有名になり、一級品として人々に重宝されていました。
その後、燃料としての炭の需要と供給はどんどん増え続け、たくさんの炭焼き小屋が煙を出し続けていました。しかし、昭和15〜20年頃には炭の生産量は一気に半減し、さらに昭和30〜55年の間に50分の1程度にも落ち込んでしまい、現在に至ります。これは炭に変わる燃料(石炭、ガス、電気など)が普及し始めた為です。
しかし、ここ数年様々な用途が開発され、生活環境改善として炭を利用するようになり、若干ではありますが生産量の増加がみられるようになりました。
|